鍼というと皆さんは注射針や裁縫針をイメージするかとは思いますが、鍼施術で使用する鍼は髪の毛ほどの鍼ですので、痛みはほとんどありません。症状や使用目的によって鍼の長さ、太さ、種類を使い分けます。当院で使用している鍼はディスポーザブル（使い捨て）のステンレス鍼を使用しておりますので、衛生的でとても安全です。
また、お灸はヨモギで作ったもぐさを使用し、ツボに熱刺激を与えるのでとても恐いイメージがあるとは思いますが、灸には直接皮膚にすえるものと間接的にすえるものと分別されます。当院では間接的にすえる灸を使用いたしますのでご安心ください。
鍼灸の効果は皮膚や筋肉に分布する感覚刺激を刺激することによって、筋肉の弛緩や血流の流れを良くするだけでなく、脳などで中枢神経を介して痛みを鎮めてくれる作用があります。また、自律神経を整えることによって免疫力や自然治癒力を高める効果もあるのです。

あん摩・指圧・マッサージとは共に生体反応を起こさせる刺激療法ですが、あん摩は筋肉を揉んだり叩いたりし、心臓から末梢に向かって行う（遠心性）施術法で、気血の流れを良くし、古代の中国で誕生し日本に渡来したものです。指圧は徒手で母子、手掌のみを使用し、圧反射により一定部位を押圧して生体の変調を矯正する心臓から末梢に向かって行う（遠心性）施術法で日本独特の手技療法です。マッサージは衣服の上から行うのではなく、皮膚に直接手技を行い、オイルやクリーム、パウダーを用い、末梢から心臓に向かって行う（求心性）施術法で、血流の改善を目的としたヨーロッパで生まれ、明治以降に日本に持ち込まれた手技療法です。

当院ではご相談者様の状態に応じて、鍼灸・あん摩・指圧・マッサージを使い分けるだけでなく、ストレッチ療法を併用して数多くの方に痛みの改善や機能訓練の向上を行っております。例えば、足が30度しか上がらない人にいくら機能訓練を行ってもらうとしても、なぜ、足が上がらないのか？痛みによって上がらないのか？関節が固くて上がらないのか？手術後の後遺症（人工骨頭術後等）で上がらないのか？などそれぞれの状況を判断しなければなりません。各々の状態にあった施術療法を提案し、痛みの改善、可動域の拡大、心身（気力）の改善を行うことで、本人の機能訓練のパフォーマンスが大きく変わるのです。

当院では歩行困難な方を対象に保険で出張施術が受けられます。介護保険を利用するのではなく医療保険を利用するため上限規定がないことや、変形性膝関節症や脳梗塞後遺症など、来院するのが困難な方に対して鍼灸やマッサージだけでなく、機能訓練の向上を目的とした施術を行っております。痛みや関節拘縮など原因を取り除くことによって、歩行のパフォーマンスが大きく変わります。